東京の商社で働()く樋口浩介。50歳になった今、仕事へ()の情熱は失っている。ただ忙しいだ()けの日々を送り、中間管理職として上司と部下の間()で疲れ果てていた。そんなある日の夜、オ()フィスで小豆島の旅ガイドを目にする。そこは中学時代を過ごした思い出の地だった。何かから逃げるように、浩介は小豆島に向かう。旅の途中、突然、不思議な少年が現れ、な()ぜか後をつい()て()くる。少年()に導かれる()ように島を巡り歩くと、懐か()しい人たちとの再会が待っていた。徐々に甦ってくる、さまざまな記憶。それは、記憶の奥底に眠っていた当()時の苦い思い出だった。野球部・初恋()・恩()師との確執……。はたして少年は、何者なのか? それは意外な結末だった()。