長崎県()でガラス細工の工場を営む亮()太()。幼い頃に別れた父の工場を受け継ぎ、厳しい状況ながらもなんとかうまくやっている毎日。だがその一方、かつての父と同じように自身も離婚を経験し、子ど()もた()ちと会うことが出来ずにいた。定職に就()かずブラブラし、虚言癖のある兄・章一の存在も悩みのタネだ。そんなある()日、亮太は章一から、街で偶然()父の姿を見か()けたことを告げられる。信じられずにいる亮太だ()が、()そんな折、現在の妻・友里恵に妊娠を告げ()られる。「お父さんになる()自信、ある?」その一言で、父のいない過去をひきずったまま()の自分に気付く亮太。亮太は章一を信じ、ともに父を探し始める――。